こんにちは!クレバリーホーム仙台東店の沼田です。
大雨が降り続いて川が氾濫したり、台風が来たりと自然災害が多い日本ですが、
地震は1年に何回起きているのか皆さん知っていますか?
令和3年に起きた震度1以上の地震の回数はなんと2424回(気象庁データ)だそうです。結構多いですよね…。
たとえ小さな地震だったとしても、繰り返される地震で建物にはダメージが蓄積されます。地震が何回も起きることで金物が外れたり、合板が破損したり、ねじが折れたり、、、。このようなことが実際に起きています。
また、これから30年以内に大きな地震がくると予想されており、不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は「クレバリー制震ダンパー」についてご紹介したいと思います!
そもそも『制震』って何?
地震に対する備えで「耐震」や「制震」など聞くけど、これらの違いがよく分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここではまず、地震から住宅や命を守る3つの方法「耐震・制震・免震」について説明していきます。
☆耐震とは
耐震とは建物を頑丈にして地震の力に耐える構造です。耐力壁と呼ばれる壁で建物全体を固め、揺れに耐える建物には必要な工法です。
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制震とは
制震とは地震の力を吸収し、建物の損傷を抑える工法です。
例えるなら、頑丈なつくりの車が「耐震」の考え方で、衝撃の吸収力がある車が「制震」の考え方になります。
頑丈なボディの車(耐震)が凸凹の道を走ったときに、車自体は壊れないですが、乗っている人に衝撃がそのまま伝わります。しかし、衝撃を吸収するシステム(制震)があることによって、乗っている人に衝撃が伝わらなくなります。これが「耐震」と「制震」の考え方です。
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免震とは
免震とは地震の揺れを免震装置により建物へ直接伝えない工法です。建物と基礎の間にベアリングなどを入れて揺れから切り離す方法です。家具やクロスの損傷はほとんどなくなるなど、効果はとても優れていますがデメリットも多いです。デメリットとしては直下型地震には無力であること、コストがかかること、建物が左右に揺れるため、スぺースが必要になることなどが挙げられます。
耐震だけでは時代遅れ!?
2016年に発生した熊本地震では震度7が2度発生しました。誰もが予想できないほどの多くの建物が倒壊し、古い住宅は軒並み被害を受けました。しかし、古い建物だけではなく、現在の建築基準法の基準で建てた建物が倒壊した事例が30件ほどありました。2010年に建築された
長期優良住宅でさえも倒壊してしまったという報告もあります。
また、発生直後の建物被災状況と2年後の状況調査で被害を受けているように見えない住宅(小規模な損傷・破損)が解体され、建替えられていた数が52%との報告があります。
これからの住まいは、倒壊しないことはもちろんのこと、被災後でも安心・安全に住み続けられることが可能な技術と工法であることが求められます。
せっかく住まいを検討するのであれば、
「耐震工法だけでは時代遅れ」になってしまうことにならないように、ぜひご理解いただきたいです。
備えるべきは大きな地震だけじゃなく、
「共振現象」も!
大きな地震が怖いのはもちろんですが、「共振現象」というものを皆さんご存じでしょうか。驚くべきことに、地震が揺れる速さ(周期)によって、揺れやすい建物があるんです。
☆共振現象とは
共振現象は建物の固有周期(建物それぞれの硬さ、柔らかさ)と地震波(揺れる速さ)のタイミングが偶然一致し、予期されない力が建物へ加わることです。
建物は平屋などの低いものから高層ビルのような高いもの、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、木造まで様々な種類があります。そして、それらは建物の硬さが違います。
地震の周期は、揺れの速度が速いもの(短周期)と遅いもの(長周期)があります。
1回の揺れが3~20秒以上のものを長周期地震動といい、長周期の地震は高層ビルや高い建物に影響を与えます。1985年に発生したメキシコ地震では14階建て前後の建物が集中して倒壊した災害もありました。
一般住宅にとって最も危険な周期が1~1.5秒であり、「暗黒の周期」ということで
「キラーパルス」と呼ばれています。
実際に阪神淡路大震災では全壊104906棟、半壊144274棟、合計249180棟の被害が出ました。地震の周期は0.8秒程度でしたが、軟弱地盤により揺れがゆるやかになり、1秒を超える危険な周期になったと検証されています。それに比べて、2011年の東日本大震災は0.3秒という非常に短い周期の地震でした。津波により、実態は把握できない状態ですが、住宅への直接的な被害は出ていないのです。
このように「共振現象」が起こると住宅が全半壊してしまう被害が多くなっています。それくらい、「共振現象」は恐ろしいものであり、対策すべきものなのです。
そこで私たちクレバリーホームは、オリジナルの構法であるプレミアム・ハイブリッド構法にプラスして「共振現象」も抑制することができる
『クレバリー制震ダンパー』をご提案いたします。
プレミアム・ハイブリッド構法にプラス
『クレバリー制震ダンパー』
ここから「クレバリー制震ダンパー」の特徴について詳しく説明していこうと思います。
①微弱な揺れから瞬時に揺れを吸収する性能があること
下の画像の青い線が一般的な制震装置の特性になります。右に行くほど建物へ大きな力が加わる状況です。上下が減衰力で力を吸収する仕組みになります。青い線の特性を見てみると、微弱な揺れはほとんど吸収していません。
赤い線がクレバリーホーム制震ダンパーの特性で、少し揺れたら
すぐに反応し、地震の力を吸収しています。
最初に言った通り、小さな揺れの地震でもダメージは蓄積されてしまうので、微弱な揺れはじめの時点から効果を発揮しなければ、建物の構造体を守ることができません。
②ヤマハブランドの技術で製造された最高性能の技術と品質であること
バイクやボード、車用エンジンなどのレジャー品メーカーとして世界的にも有名なヤマハ発動機の100%出資子会社ヤマハモーターハイドロリックシステムへ製造委託し、すべて国内で生産されています。
☆高圧ガス封入式シングルチューブ
シングルチューブのメリット
・ピストン面積が大きく減衰機能が高く、安定した性能を発揮する。
・放熱性能が大きく、温度による性能劣化が少ない。
・取り付け方向を選ばず、上下に誤って取り付けてしまった場合でも、同じ性能を発揮する。
・オイルとガス室が分かれているため、減衰力性能の応答性が良く、常に安定した性能を発生。オイルの劣化に対して非常に有利。
・オイルはスカイツリーの制震ダンパーでも採用されている最良のものを使用している。
☆全品減衰性能や作動テストを実施
☆1本ずつID番号で管理されている
③クロスピン構造
建物は地震や風対策として縦方向と横方向からの力で構造を考えます。しかし、実際には斜めからの揺れや、構造的なバランスから「ねじれ」の状態が発生します。もし、クロスピン部分が固定されているものだと、ブラケット部分やビスに大きな負荷がかかり、損傷の危険性が高くなります。
それに対して、クレバリー制震ダンパーは
クロスピン構造なのでそのような心配はなくなります。
④ヤマハモーターハイドロリックシステムの特許技術が2つ!
☆スポンジカバー(ロッドガード)をシャフト部分に設置し、断熱材の付着によるシール材の損傷防止と、設置するときにシャフトへ傷をつけない工夫がされています。
☆クラックフリーフロムメッキ(ロッド部分)は錆びない特殊メッキで、耐食性と耐摩耗性に優れ、塩害防止用に船外機用でも使用されています。
数値で見るクレバリー制震ダンパー
制震工法は建物に柔軟性を与える工法ですので、現在の建物を固くする工法である耐震工法の中では評価することができません。しかし、耐震診断の中の限界耐力計算であれば評価することができます。
下の画像は日本建築防災協会が監修している耐震診断ソフトを使用した結果になります。
評価について解説していくと、
☆総合評価
1以上を倒壊の恐れが少ないと評価されています。
総合評価が1.06から1.27になったので、より倒壊しない住宅であるという高い評価がされています。
☆加速度低減数
地震のエネルギーをどれだけ吸収することができるのかを評価する項目になります。数値が小さいほど建物が柔軟で、衝撃を吸収しているということになります。
加速度低減数が0.72から0.56と値が小さくなったので、「衝撃をより吸収している」ということになります。つまり、建物の揺れが28%の低減から44%の低減に変化しているということです。
☆減衰定数
揺れた建物がどれだけ早く静止するかを評価する項目になります。この数値は大きいほど良いとされています。
(鉄骨造は0.03、鉄筋コンクリート造は0.05程度)
0.11から0.17と値が大きくなったので、「建物の揺れをより早く抑えることができる」ということになります。
まとめ~大切なのは最新の情報と対策を知ること~
これまでたくさん説明させていただきましたが、ポイントをまとめると今後の住宅はすでに耐震工法プラス制震工法が主流になりつつあるということです。「長期優良住宅だから安心。」「耐震等級2だから地震に強い。」果たして本当にそうなのでしょうか。
住まいとご家族の安全を任せられるのか、最新情報をしっかり取り入れているのか、十分に検討して、正しいご判断をしていただきたいと思います。